徳島ペンクラブとは
Tokushima pen club

徳島ペンクラブの会長に就任いたしました依岡(よりおか)です。高知出身で、大学の教員と、徳島の文芸には縁もゆかりもなかった者ですが、当地在住30数年、地元での読書活動や新聞の読書エッセイ連載などで、多くのご縁に恵まれ、徳島はいまや第二の故郷。この地で伝統ある文芸クラブの活動に関わらせていただけることを、このうえない喜びと感じています。

そんな私は、徳島ペンクラブといえば、「広場」を思い浮かべます。ヨーロッパの町の中心に必ずといってよいほどあり、出会いと人や情報の交流の場となって町を生き生きとしたものにする、そんな「広場」です。私自身もこれまで、大学を中心に読書会を行ってきましたが、そこには読むこと・書くことを喜びとする、歳も職業も出身も違う人々が自然と集うようになりました。いつしかこの活動が、私たちの「広場」となり、交流と創造の場になっていることにも気づかされました。互いの個性を尊重し合い、違いを喜びとし、世代や性別、出自を越えて出会い、生き生きと交流できる場があってこそ、文芸は豊かに育つ。ペンクラブは、そんな「広場」であってほしいと思っています。 

また、徳島ペンクラブは『徳島ペンクラブ選集』刊行、「とくしま随筆大賞」運営、シンポジウム・講演会の開催など、地域に根付いた活動を展開してきました。東京にも世界のどこにもない、ここでこそ発見できるもの、それを記録し、物語にして発信していくことは、まさに文芸団体の使命です。地域の、ひいては世界の、文化に貢献する活動になります。途切れさせることなく、続けたいものです。

このように私は、会長就任にあたって徳島ペンクラブのことを思い描いております。皆様と一緒に、文芸の広場を根づかせ、創造の輪を大きく広げ、徳島の文化を豊かなものにしていけたら、幸いです。とはいえ、歴史ある当クラブでは、還暦過ぎても私など、まだまだ新米。皆様のご指導、ご鞭撻、どうぞよろしくお願いいたします。

依岡 隆児 1961年生
徳島大学総合科学部 大学院教授
徳島大学附属図書館館長を経て現在副館長
専門分野   ドイツ文学、比較文学・比較文化
著 書
『読書のススメ~四国から、グローカルに』(徳島新聞社、2010年)
『ギュンター・グラス~『渦中』の文学者』(集英社、2013年)
『読・書コミュニケーション入門~読み書きの方法から読書会の実践へ』(教育出版センター、2018年)
『新・読書のススメ~本との出会いと読書コミュニケーションのために』(徳島新聞社、2022年)他 多数
受 賞   三木康楽賞、とくしま出版文化賞 他
社会活動  「まちライブラリー・ビブリオラボ とくしま」を主催するなど、大学を中心にして「読書推進活動」を展開
徳島ペンクラブ・徳島新聞社主催「とくしま随筆大賞」の審査委員として、2010年より現在に至る

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